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ゼミ連絡用


by m-seminar

5月21日 翻訳課題

5月21日

p338 3行目〜p339 6行目



1945年10月10日に創刊された「民報」において「(前代未聞のめでたい前兆に大勢の人が喜びに沸いた)」、「台湾の歴史上の初めての光景だ」とこれらの言葉でもって台湾民衆が戦後の初の国慶節を祝ったことを形容した。国民政府の七十軍が台湾に到着したときは、「町中の人が大勢に祝い、歓声が雷の音のようだった」陳儀が台北に飛行機で到着した際に、「台北市の民衆は狂喜し、盛大に出迎え、人で埋まり、熱烈な状態であり、それはいまだかつてないことであった。」
 陳儀は台湾到着後の翌日に、「民報」社論で台湾の人材を登用し、すみやかに祖国の教員を招くことでもって、国語、警官と人々で合作し治安を維持することに指導することを行政長官の陳儀に対して期待をもった。
だが、すぐさまに台湾人は失望することになった。    
 (汤 佳靓)
# by m-seminar | 2014-05-22 23:11 | レジュメ(平成26年度入ゼミ生)

2013年 夏合宿課題

2013年8月16日夏合宿
三澤ゼミ 4年 0410002 市川周吾
「憲法改正と東アジアの今後の情勢」
①「憲法」と私たち
参議院選挙が終わり、衆参両議院のねじれが解消された。安倍晋三氏が首相になって以降、自民党の「日本国憲法改正草案」を改めて検討する必要性が高まっている。
現在の憲法改正を巡る政治状況を「大いに憂いている人」もいれば、「漠然とした不安を抱いている人」、「なんとなく賛成の人」もいるだろう。しかし、多くの人は「経済が良くなることは大変結構だけれども、「軍事国家」とまではちょっと...」というのが正直な意見である。
②なぜ今憲法改正しなくてはならないのか?
「自民党憲法改正草案Q&A」のQ1には、「なぜ、今、憲法を改正しなければならないのか?なぜ、自民党は「日本国憲法改正草案」を取りまとめたのか?」とある。
これに対する回答は、「現行憲法は、連合国軍の占領下において、同司令部が指示した草案を基に、その了解の範囲において制定されたものである。日本国の主権が制限された憲法には、国民の自由な意思が反映されていないと考えられるから。」という。
③憲法改正についての世論調査
2013年5月2日のNHKの世論調査
時期:4月19日~21日
対象:18歳以上の2865人
方法:電話(RDD)→コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける方法
回答:1615人(60%)
・憲法改正について
調査結果と6年前との比較
→改正する必要あるは1%アップ
→必要ないは8%ダウン
→どちらとも言えないは9%アップ

改正する必要があると答えた人たちの理由










憲法の改正の必要ないと答えた人たちの理由










憲法9条改正の必要あると答えた人たちの理由












憲法9条の改正に必要ないと答えた人たちの理由
憲法96条改正の議論の内容を知っているのかという質問に対しての回答





その他の大手メディアはというと以下のようになっている。
・産経新聞社・FNN合同世論調査: 憲法改正に「賛成」が61.3%、「反対」が26.4% (産経 2013.4.22) http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130422/stt13042214220003-n1.htm
・ 毎日新聞世論調査: 「憲法を改正すべきだと思う」60%、「思わない」の32% (毎日 2013年05月03日) http://mainichi.jp/select/news/20130503k0000e010141000c.html
・日本経済新聞・TV東京共同世論調査: 「改憲すべきだ」56%、「維持」28% (日経 2013/5/2) http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0202S_S3A500C1PP8000/?dg=1
・朝日新聞世論調査: 「今の憲法を変える必要がある」54%、「変える必要はない」37%(朝日新聞2013年5月2日)
・ 読売新聞社世論調査: 憲法改正、「改正する方がよい」51%、「改正しない方がよい」は31%(読売新聞 2013年4月19日) http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130419-OYT1T01664.htm?from=ylist
NHK以外は憲法改正賛成が過半数をこえる調査結果になっている(NHKの改憲賛成のパーセンテージが他社と比べて低いことには、確かに疑問がある)。 改憲反対は朝日の37%がダントツで高い。 賛成vs反対の比率を考えれば、NHKを加えたとしても憲法改正賛成が大勢を占めていると考えられる。 護憲派がどんなに声高に「憲法改正反対」と言っても「憲法改正」に傾く世論を止められないのではないか。
調査結果について、憲法改正を求める立場の慶應義塾大学の小林節教授は「憲法改正は避けて通れないという認識が、次第に一般にも広がってきたことがうかがえる。 国民が幸福に暮らすために国家があり、主権者である国民がその国家を使うためのマニュアルとして憲法がある。だから、よりよい見直しをする『バージョンアップ』は当然のことだ。今こそすべての人が気兼ねなしに憲法改正を論じあう時期だ」と話している。

一方、現在の憲法を守る立場の早稲田大学の水島朝穂教授は「憲法改正に反対の意見が減っているが、これは、国の安全保障政策や外交政策と憲法の問題を混同して『憲法を変えればうまくいく』と誤解している人が多いためではないか。 現在の周辺諸国との問題は、憲法問題ではなく日本の安全保障政策の欠陥であることを国民に知らせたうえで、憲法についてじっくりと議論をすべきだ」と話している。
④憲法改正と東アジア
もし経済大国の日本が普通に軍事力を持つ普通の国となる時には、対外的には単なる軍事大国となる。世界第3位の経済大国が、その経済力に見合った軍事力を持てば、「普通の国」ではなく、「軍事大国」となる。軍事大国化していくことは、東アジアにおける政治・軍事的安全保障の形が変わるということである。少なくとも、中国、韓国は、その日本の軍事力に対応するために、軍備拡張を迫られる。このような国際関係を踏まえれば、日本の憲法改正問題は、結局、「日米安保」と「日本とアジアとの関係」の問題である。
戦後日本は、安保面では、アメリカとアジア双方との関係において中間をとった。対米的には日米安保、アジアに対しては専守防衛を掲げることで均衡を保ってきた。今後日本が、日米安保に重点を置き、集団的自衛権の行使を前面に押し出すのであれば、アジアとの関係を考え直さなければならない。反対に、現在の東アジア地域情勢から「今の軍事力で十分だ」とし、むしろ「日米関係を見直す」、「アジアの共同体をつくる」ということになれば、全く違った方向へと向かうことになる。
東アジアの国々それぞれ見ていくと、まず中国は、日中関係において(日本側が)「歴史認識問題」「台湾問題」、韓国は「竹島問題」に対して強硬な態度にでる可能性が高い。もし、自民党が憲法を改正し、大きな軍事力を持ってしまえば日本側がさらに高圧的な態度に出ることが予想される。そうなると両国の軍事衝突が起こりさらに今現在より危険な状況に陥るだろう。
これを防ぐために、東アジアの国々で集まって、議題を「日本国憲法の改正」についてを話し合ってもらいたい。私たちも憲法改正になるとどうなるのかもっと学んでいくべきではないかと思う。
参考資料 改憲の何が問題か 奥平康弘 愛敬浩二 青井未帆 編
岩波書店2013年5月28日発行
# by m-seminar | 2014-01-14 14:00 | レジュメ(平成24年度入ゼミ生)

2013年度夏合宿課題

2013.8.17
中国語中国文化学科 0410048 関村 蓉
アジアにおける平和構築と日本国憲法
参考文献
『日本国憲法を口語訳してみたら』
 著者:塚田薫 監修者:長峯信彦(愛知大学法学部教授) 幻冬舎 2013

前文より
 「俺たちはちゃんとみんなで選んだトップを通じて、俺たちと俺たちのガキと、そのまたガキのために、世界中の人たちと仲よくして、みんなが好きなことができるようにするよ。また戦争みたいなひどいことを起こさないって決めて、国の主権は国民にあることを、声を大にしていうぜ。それがこの憲法だ。」

【憲法9条ってなんでそんなに重要なの?】
現在の日本国憲法にとって重要な点は「戦争しないほうが得だよね!」っていうのではなく、「国民の人権を守るために戦争を放棄します!そのためにも軍隊そのものを持ちませんから!」というところにまで踏み込んだところ。憲法学的に、日本国憲法は「国民の人権を守るために戦争を放棄します」っていう「人権の保障」と「戦争放棄」をセットにした「積極的な平和主義」のうえに成り立っている。
自衛隊については、あくまで「攻めてきた相手から身を守ることだけに専念する」という専守防衛の考え方である。

自民党の憲法改正草案(ヤンキー語ver)
 自衛権と国防軍保持を明記し、逃亡やスパイ罪での軍事裁判実施にも言及している9条
「おれだってドンパチはやりたくねえ。でも、メンツをつぶされたら、その時は別だ、やるときゃやるよ。」(1項)
「一家を構えてたら、兵隊をおくのは当たり前じゃねえか。兵隊が足抜けしたりヒミツ漏らしたら、内々でおとしまえをつけさせてもらうぜ」(2項)

この訳が合っていれば、今まで平和主義を訴えていたのに、急にやる気になったように他国に見受けられるのではないかと思う。戦争が終わり、二度と繰り返さないために作られた憲法を今になって改正するのは、今後のアメリカとの関係の行方の問題も出てくる上に、アジア諸国も日本に対し警戒心を強めてしまうのではないかと思う。自衛力としての自衛隊はかなり優秀である日本はそのまま自衛力を磨き、平和のために現状維持をするのがベストではないか。
# by m-seminar | 2013-11-10 17:33 | レジュメ(平成24年度入ゼミ生)

2013.4.24課題

2013年4月24日
中国語中国文化学科 4年 0410048 関村蓉

★人種概念を包括的に理解する作業をとおして、複雑化し巧妙化している人種主義に警鐘を鳴らすことが求められている!!

筆者の作業
人種概念を理解するべく、六節に分けて様々な角度、観点から人種について考える。
第1節では・・既存の人種概念について説明とその内在的特性、人種と関連のある用語の説明をとおして、浸透している人種概念に向き合おうとしている。
第2節では・・人種概念の起源をめぐり、行われてきた二つの大論争の内容とその陥穽についての説明をとおし、そこから見えるこれからの課題を見出していく。
第3節では・・人種をrace、Race、RRの三つの位相とする仮説を提示し、さまざまな専門領域の言語で語られる人種概念を包括的に理解する手がかりを探っていく。
第4節では・・「モンゴロイド」「コーカソイド」「ネグロイド」の名称と西欧的背景との関連性を、近代科学における人種分類に投影される世界観を吟味しながら探っていく。
第5節では・・自然科学の人種概念、人種に代わって用いられるようになった「アジア人」、「ヨーロッパ人」、「アフリカ人」の科学的実体性について現在論点と思われるものを検討していく。
第6節では・・人種分類が人種差別につながっているのではないか、人種差別は様々な分類方法によって多様化し、それと闘うためにも、今までの人種概念を歴史化し、超地域的に相対化し、科学的決定論の陥穽につねに敏感になることが必要だと訴える。

学問することの意味

当たり前のことに疑問を持ち、根掘り葉掘り多方面から探っていくことで見えてくる課題を見つけ出し、本当にそれでいいのかと問うことが学問であり、問いを学ぶことにより、当たり前なことに執着せずに物事を考える視点が広がり、根本的なことから探っていく事で、より理解をを深められると考えます。今回の課題文では人種概念について、人種にまず疑問を持ち、そこから広がり人種主義、人種分類、人種差別について考えています。そもそも人種とは何かを考え、起源の観点、科学の観点など様々な角度から検討し理解する事で、今起きている問題を広い視点で考えられるようになると考えます。
# by m-seminar | 2013-11-10 17:26 | レジュメ(平成24年度入ゼミ生)

2013.4.17課題

2013年4月17日
中国語中国文化学科 4年 0410048 関村 蓉

人種概念の包括的理解に向けて
第一節 人種概念を洗い直す
★明治初期から平成の現在まで、教科書や事典などをとおして国民的に刷り込まれてきた「人種」概念と向き合い、この語を洗い直す必要がある

◎人種概念が内在的に抱える特性
 過去から現在に至るまで、アジアでの被差別集団からゲノムの商業化で語られる人種まで、人種概念の包括的理解を模索するもの

①人種的資質とされるものが、系譜的に世代から世代へと身体を媒介に「遺伝する」もの、出自によって決定され、環境や外的要因では「変えることができない」ものだと信じられている
②自己・他者認識の境界を引く主体が他社集団に対して排他性を示す傾向が強く、とくに古典的な人種概念においては集団間に明白な序列階梯が想定される
③その排他性や序列階梯が政治的・経済的あるいは社会制度や資源と結びついて発露するため、組織的な差異化であり利害と関係しやすい

第二節 人種概念の起源をめぐる大論争とその陥穽
★人種概念の起源をめぐって長年続いている二つの学説の論争を紹介し、それらの限界とそれに関する人種概念に課題を抽出
①普遍説→皮膚の色を中心とした可視的な身体形質をめぐる差異の認識や偏見であって、それを超えるものではない!19世紀後半から20世紀前半の歴史的共進性をいかに説明するか!

◎人種は古代以来連続的に世界諸地域に存在してきた普遍的な概念。普遍論者らによって人種認識や人種主義の古代以来の連続性、普遍性を示すひとつの証に「皮膚の色」。

皮膚の色など身体上の差異とみなされる要素が他者認識の世界観において少なからぬ役割を果たしてきた。が、欧米以外にもあらゆる社会で皮膚の色が重要な指標となるのかを疑問に付す必要がある。



②近代西洋起源説→欧米の近代の人種論とは接点を持たずして、生来的で矯正が困難だと信じられる差異をもととした序列階梯が社会制度に埋め込まれている場合、それをどうみなすか!

◎人種概念はあくまでも近代における西洋の啓蒙思想や国内外植民地主義、国民国家形成の産物であるとする。

・スメドリーの主張・・・近代西洋起源説からさらに踏み込んで、人種概念が北米起源であると断定
・アメリカから人種概念が世界に流布したとする説・・・多くのアメリカ人研究者やヨーロッパ人研究者に共有されている
・人種概念は近代市民社会の成立の余波として現れたとする説・・・啓蒙時代の後、権利や地位の平等が制度的に確立されたがために人種概念が重要性を獲得したと考える

第三節 人種概念の三つの位相
★仮説を提示し、さまざまな専門領域の言語で語られる人種概念を包括的に理解する手がかりを探る。
 仮説・・人種概念を構築する諸事象の最大公約数を抽出した場合、race、Race、RR(Race as Resistance)と呼びうる三つの位相が考えられる。

①race
当該社会で観察される社会分化した集団の差異が、世代を超えて継承され、環境によって矯正することのできないものとして理解され、しかもその差異が明瞭な優劣や排除をともなって政治・経済・社会制度に表現される場合
②Race
世界中の人々のマッピングと分類を意識して構築された科学的概念として流通する人種。グローバル・レベルで多大な影響を与える歴史的共進性と、個々の社会的文脈のなかで展開する変形の個別性の双方をあわせもつ。
③RR(抵抗の人種)
抵抗としての人種。Raceまたはraceによって社会的認知を受けた人種間のヒエラルキーは、のちに覇権や支配への抵抗、独立運動やマイノリティ運動などのなかで、それぞれの社会で劣位の人種とされたさまざまな集団の抵抗を呼び覚ますこととなった。
さまざまな重層的多元的アイデンティティが現実には存在しながらも、人種的アイデンティティが動員される状況を意識して提示するもの。

第四節 「モンゴロイド」「コーカソイド」「ネグロイド」
★「コーカソイド」などの名称と西欧的背景との関連性をみるために、近代科学における人種分類に投影される世界観を、名称との関係に限定して吟味する。これらの用語に含まれる意味を理解することが重要。

ブルーメンバッハ・・「コーカソイド」、「モンゴロイド」の基となる語を生み出し、人種分類に世界的影響を及ぼした人物。頭蓋学の祖。「白色人種」、「黄色人種」などの表記に見られるように、人種を「色」で分類する認識の基本をつくった。

コーカソイド・・ユダヤ=キリスト教的世界観との関連に注意。当時聖なる地アララト山のあるコーカサスは人類(白人)発生の地であると考えられていた。ブルーメンバッハはコーカサス山脈で見つかった頭蓋骨をもとにヨーロッパ人をコーカシアと命名した。また、ブルーメンバッハにとって、コーカシア人はあらゆる人類の中で「もっとも美しい頭型」をしており、「最良である」と形容した。

モンゴロイド・・モンゴル人に由来する、東アジア人を表象する言葉として用いられつづけている。ダウン症を指す言葉として長く用いられていたが、露骨な差別的表現が批判を浴び、モンゴロイドに代わり、この症状の最初の研究者の名をとって今の「ダウン症」という名称が用いられるようになった。

ネグロイド・・ラテン語から派生した言葉、「黒」を意味する。しかし、濃い皮膚の色をつくるメラニンの色素は紫外線を妨げる働きを持ち、アフリカ人のみならず、アボリジニなどの皮膚にも多く含まれている。よって、文字通りのネグロイドのように皮膚の色の濃さで一括にできるような集団ではない。

◎「モンゴロイド」、「コーカソイド」、「ネグロイド」などの用語には、皮膚の色を他者との弁別基準として重視し、ヨーロッパ人の頭蓋骨を基本形とみなす西欧中心的な価値観が色濃く反映されている。

第五節 DNAからみる「アジア人」「ヨーロッパ人」「アフリカ人」
★自然人類学やその隣接領域におけるヒトの多様性の研究動向から自然科学の人種概念、あるいは、最近人種に代わって頻繁に用いられる「アジア人」、「ヨーロッパ人」、「アフリカ人」などの用語とその科学的実体性について、現在論点と思え荒れるもののいくつかを追って検討。

遺伝学・・人種概念に生物学的根拠が存在しないことを裏付ける。(
現代人ホモ・サピエンスの起源・・「アフリカ単一起源説」VS「多地域並行進化説」
アフリカにおいて誕生したホモ・エレクトスが現代人ホモ・サピエンスに進化し、そのホモ・サピエンスが10万年から15万年前に世界に拡散したという「アフリカ単一起源説」が圧倒的に有力。

ヒトの多様性・・遺伝学的には大半が集団内の差異であり、「アジア人」、「ヨーロッパ人」、「アフリカ人」などの大集団間の差異が小さい。
疾病の大半は環境が関与している、ガンの段階を調整してもアフリカ系アメリカ人の方がヨーロッパ系よりも死亡率が高い。それには社会経済的格差、教育格差、医療ケアへのアクセスやケアに対する考え方の違い、食習慣の違いなど、複数の要因が働いていることが様々な実態調査によって指摘されている。

◎・どのようなコンテクストにおいて人種を持ち出すか否かであるが、生物学的人種と、人種差別という環境要因とを混同しないことが重要。
・人間集団間の遺伝学的差異を強調するのではなく、人間集団間の遺伝学的同一性や差異の少なさにもっと関心を注ぐべきではないか。
・遺伝決定論に陥りやすい議論を阻止するために、遺伝子が発見するか否かがいかに環境関心を向けるべきではないのだろうか。

第六節 分類という常套手段と暴力
★人類にせよ集団にせよそこに最大の問題はそもそも分類という行為自体が内在的にもちうる矛盾と暴力である。人間の分類を回避することははたして可能か。人種差別の解消が目に見え肌で感じられる日が、21世紀のあいだに到来するだろうか。

・分類の根拠となる共通性・類似性をつねに多元的に模索すること、境界線を固定化せず、攪乱させること、それがつねに見る側の角度や次元によって揺れ動くものであると意識化することに分類が内在的にもつ暴力に抗う一つの鍵が隠されているように思える。
・人種差別と闘う鍵は学ぶという原点にある。多様化した現代の人種差別と闘うためには、遠回りでも人種概念を歴史化し、超地域的に相対化し、科学的決定論の陥穽につねに敏感である事が要求される。

◎人種概念を包括的に理解する作業をとおして、複雑化し巧妙化している人種主義に警鐘を鳴らす事が、今こそ求められている。

参考文献 『人種概念の普遍性を問うー西洋的パラダイスを超えて』 
                          竹内泰子 2005年 人文書院
# by m-seminar | 2013-11-10 17:22 | レジュメ(平成24年度入ゼミ生)