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夏合宿課題 『日本人はなぜ民主主義を捨てたがっているのか?』レジュメ 山田果歩

2014年8月26日(火)~28日(木)
ゼミ合宿課題「『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』レジュメ」
3年 山田果歩

『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』想田和弘
岩波ブックレット、2013年11月

現代に生きる日本人にとって、民主主義は生まれた時から意識せず手にしていたもの
 →日本の政治体制は、これからも民主主義なのか?という疑問が生まれた
現在、日本の政治体制は民主主義とは逆の方向に進んでいる
 →これには、そうした政治家の動きを許している私たち主権者の責任があるはずだ

<第一章 言葉が「支配」するもの―橋下支持の「謎」を追う>

なぜ橋下氏が支持されるのか、筆者には理解が出来ない
 :筆者にとって橋下氏は実績もビジョンも一貫性もない危険な人物
・橋下氏の支持者は橋下氏と「よく似た言動」を使用する
  →自ら思考することなく、橋下氏に思考、行動を支配されている
 ※政治家によって提唱された言葉が民衆の思考を左右する例は多い
  →タイミングよく提唱され、リアリティをもって民衆の感情を動かしたから
  →橋下氏の言葉は、人々の感情を揺り動かすポイントを掴んでおり、「感染力」がある
  →人々の「感情を統治」しているために、論理的綻びが問題にならない
・インターネット、記者会見を用い日々新たな「記事のネタ」を提供する
  →橋下氏の情報は膨大な量となり、メディアを席巻する
・橋下氏支持者と批判者の間では共有するリアリティが違うため分かり合えない
  =リアリティある言葉に頼ってきたツケ
新たな言葉で民主主義の価値を提唱し、形骸化した民主主義概念を再定義する必要がある

<第二章 安倍政権を支えているのは誰なのか?>
2012年、自民党が再び与党になり、改憲に向けた準備が進んでいる
自民党の唱える「新しい日本」:
 「国民の基本的人権が制限され、個人の自由のない、国家権力がやりたい放題できる、民主主義を捨てた全体主義の国」
 改憲案は国や社会が個人の人権よりも重視され、恣意的に拡大解釈が可能
  ・第十三条:「公共の福祉に反しない限り」→「公益及び公の秩序に反しない限り」
  ・第二一条:表現の自由を「公益及び公の秩序」により制限することができる
  ・第九七条:「基本的人権の永久の信託」 → 削除
  ・第九九条:憲法が規制する対象が国家権力から国民へ
  ・第九章「緊急事態」の新設

こうした改憲案がインターネット上に公開され、誰でも閲覧できるにも関わらず、マスコミはほとんどこれを取り上げていない
 ・安倍総理が質疑で憲法学の大家の名前を知らなかったことが報道される
   →筆者はTwitter上での安倍総理非難へのリプライから、安倍総理擁護論に共通する
 「内閣総理大臣」への「ハードルの低さ」を読み取る
   →「首相は庶民と同じ凡人でよい」イデオロギー
    ※「人はみな平等」という考えとの同一視が生み出した?
主権者が楽な方へと流れた結果、政治家のレベル低下を受け入れるようになった
 「民主主義」という型でなくその意味をきちんと確かめ、すり替えを防がなければならない

<第3章 「熱狂なきファシズム」にどう抵抗するか>

こうした「民主主義の危機」にも関わらず、2012年の衆議院選挙の投票率は59.32%、2013年の参議院選挙は52.61%
 →人々は抵抗も協力もせず、無関心なままファシズムの台頭に手を貸している
「熱狂なきファシズム」
  安倍政権も静かに改憲することを目論んでいる(安倍政権のよく採る手法)
人々は政治に対し、主権者ではなく「消費者」となっている=「消費者民主主義」
 →しかし、我々は政治に対し、主権者として責任を負う必要がある
対策:「わーわー騒ぐ」こと
 筆者は映画監督として選挙を扱った映画を撮る際や上映する際に、不当な検閲を受けた
  →選挙や政治について語ることをタブー視する雰囲気こそが問題
    抗議することによりそれらは撤回された
「憲法とは、たとえ文面がそのままでも、そこに保障されている権利を主権者が行使しないのであれば、実質的に力を失っていく」
リスクや苦労を厭い妥協せず「不断の努力」で闘うことが大切!
 
<まとめ>
 私たちは日頃、「民主主義」の中にいることを当然として受け止めている。
 しかし、その民主主義の型の中身が今変えられようとしている。
 この「民主主義」の危機に、私たち主権者は、耳触りの良い言葉に流されず、無関心にならず、妥協せず、「不断の努力」で立ち向かう必要がある。
 さもなくばその被害と責任を追うのは私たちであり私たちの子孫である。
by m-seminar | 2014-08-26 00:46 | レジュメ(平成26年度入ゼミ生)