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by m-seminar

 2012年9月25日課題

中国語中国文化学科 3年
0410026 皆川真里江 2012年9月25日課題
「中国人の視点から見た、経済・商売と人間関係」
1.中国人の気質を知る
中国人のお金に関する考え方とは?
→<恒産なくして恒心なし―お金を儲けることはいいことだ―>
     ↓
*ある程度の安定した財産がないと、心も動揺しがちで安定した状態を保つことはできない

中国人と日本人のお金に関する考え方は全く違う!

中国人の感覚:金銭の額を得ることばかりでなく、そのプロセスに面白さがある
日本人の感覚:人前で金銭や地位に対して関心を示すことは恥ずかしいことだ

中国人はお金に対して執着心が強い。それだけでなく、次の四つの楽しさも知っている。

①お金を儲ける楽しさ
②お金を貯める楽しさ
③お金を使う楽しさ
④お金を寄付する楽しさ

ヨコ社会の中国、タテ社会の日本

中国人はお互いに知り合いにならないと冷淡で愛嬌がなくあまり本音を言わない。しかし中国人の交際上手は世界一だと言われる。巧みに言葉を選択し談笑に意を用い、酒に乱れず相手に良い印象を与える。人と接する時は厳しすぎず寛大に扱うことが多い。人を利することは自分を利すること、という中国的な考え方があるからだ。中国人は義理人情に厚く友達のためには損得を無視して命をかけてもやり遂げる。
一方日本は私欲を追求するための会社を作る。めまぐるしく変わる総理大臣を頂点とする上にならえの精神構造が形成されている。日本人が中国人と真の信頼関係を築けないのは、タテ社会のものさしでしか考えることができないからだ。
中国人は相手を一度信用すれば、口約束でも、たとえ証拠がなくてもその約束は絶対のものと考える。このことから中国では「紹介状は札束として使える」という表現もある。
日本人にはなかなか理解できないことだろう。
中国人と日本人では、お金に対する愛着と淡泊さに大きな違いがあるようだ。
2.私も儲ける、あなたも儲ける
世界最大の消費市場、中国

急成長を期待できる購買力、低コストの労働力などさまざまな要因で人々の関心を集めている中国。しかし日本人の中国への関心は永年に渡る多くの先人の友好・親善の努力によって築かれた中国・日本の文化交流の延長線上にあるのではなく、経済面の高まりである。

日本の中国への取り組みは、経済優先?
多くの日本人は第一にどうやって中国に物を売り込むか、第二に中国の安い労働力をどう利用するか。この二点に大きなウエイトを置いているように思える。
中国の望むような先進技術は与えず、単純労働、安い賃金を求め、生産物を輸出するのみで、短期間に資本を回収し利益を確保したいという傾向は中国側から取ってみれば、経済至上主義動物(エコノミックアニマル)と陰口を叩かれることになっても仕方ない。中国人に一度そのように思われたら、中国大陸でのビジネスに成功するはずがない。性急にお金儲けだけを追求することは中華商法では尊敬されない。

矛盾が生じている!?
→中国人にとってお金儲けは良いことではないのか?

先程述べたように、中国人はお金儲けはいいことだと考えるためもちろんお金儲けを否定しない。それどころかお金儲けは大好きだ。しかし、その場限りのお金儲けは正当ではない。中国人から評価されるには、中国人と共に長く儲けようという姿勢が必要である。

中国人が望むビジネスの進め方
       ↓
<私も儲ける、あなたも儲ける>

物の移動によって利益を得ることはビジネスの常道として中国人も承知している。ただ、利益を得ることだけが目的で人に接するならば、中国のビジネスの世界には長く留まれない。それは中国人にとって「商い」は生まれつき身についていることだからだ。
また、日本人は大企業のブランド力に弱いが、中国人はそんなことはない。大企業であろうと中小企業であろうと、その人との初対面を非常に大切にする。この人物は長年付き合うに値する人物かどうか、信頼できるかどうか、中華商人の目はじっと相手を観察しているのだ。中国人が日本人のように大企業を珍重しないのは、組織は倒れるときは簡単に倒れてしまうことを知っているからだ。組織はいくら大きくてもいつ潰れてしまうかわからない。そのため頼れるのは人間同士の深い信頼感だけだと中国人は心の底から信じている。
3.まとめ
日本人は中華商人と真心のこもった付き合いを成立させられるのか?
人心掌握の手練手管に長けていない日本人は、着実なかたちで事実を積み上げていくことでしか情誼を育てられない。懐の深い現実主義者の中国人は、最終的には事実を信用する。したがって中国人と付き合う中で小さな約束であっても一つ一つを守ることが重要である。時に商売がうまくいかないことがあっても小さな事実の積み重ねによってお互いに情誼が育っていく。さらに中国人の考える時間軸を良く理解し、待つことの姿勢も大切なことだ。

「約束は死んでも守る。できないことは約束しない。」

友好関係からもう一歩踏み込んで経済関係に進むためには日本的システムや考え方だけで中国側をリードするのではなく、中国の生活、思想、時間の尺度などについて十分に理解をしたうえで、パートナーとしてどのように接したらよいか、どう保管してビジネスを進めるべきかの取り組みが必要だ。「相互扶助」「互想平等」の精神が両者の間に存在すれば、経済進出もハード面のみ提携ではなく、ソフト面での技術交流も見直されるだろう。


中国人が一番重視していることは、人間関係であると思う。中国人は信頼できる人のためにはお金を使うことを惜しまない。それは中国人が「ごちそうする」ということが好きということにも表れているだろう。中国人と今後うまく付き合っていくためには、中国人のことを良く知り、良く理解する必要がある。うまく付き合っていくことができれば、日本を訪れる中国人の数も増えるかもしれない。日本で大きいお金の動きが起こるかもしれない。そうすれば経済的にもいい影響がでると考えられるだろう。


参考図書
がんこな中国人 あいまいな日本人―中華商人の発想・行動はこうだ!―
著:孔健 PHP研究所発行 1997年9月18日 第1版第1刷発行
by m-seminar | 2012-09-26 22:01 | レジュメ(平成24年度入ゼミ生)