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ゼミ連絡用


by m-seminar

ゼミ合宿の課題

中国人が考える日本と日本人                2010.09.11
中国語中国文化学科 0410026 皆川真里江

私は、なぜ日本に旅行する中国人が多いのかについて前から疑問に思っていて、それには中国人が日本や日本人に対してどのようなイメージを持っているのかが少なからず関わっているだろうと考え、まずそれを調べることから始めようと思い、図書館へ行き中国人と日本人に関する本を見つけた。それらの本についてレジュメをかいてみる。


<中国人はなぜ日本が好きなのか>

・北京外国語大学の陸鳴さん(二十二歳)へのインタビューより
日本に対する思いは、中国を侵略した悪い国というイメージがあったが、日本ドラマを見ているうちに日本に対する偏見は薄れ印象が変わってきた。戦後、多大なる努力をして立ち直り優れた自動車や電気製品を開発してきた日本は、技術立国である。礼儀正しくて真面目、几帳面な性格な日本人は多いと考える。また日本では鞄を置いて少し席を離れたとしてもそんなに心配はない。と語った。
また、北京や南京は光化学スモッグで空気がいつも汚れていてどんよりしてスッキリとした青空をあまり見ることはできないが日本の空はかなり青い。中国より経済が発展している日本の空がこんなに青いことには驚いた。道路にゴミ一つおちておらず空気と水が美味しい。また、留学時に蛍を見た時、日本人はこんな風に自然を愛でるのかと新鮮に感じた。

・北京大学の張潔さん(二十三歳)へのインタビューより
ジャニーズのアイドルは顔がカッコイイだけでなく、小さいころから苦労して演技や歌、ダンスを学んできて、彼らの団結力や絆、明るい人柄は彼らの表情にも表れており中国人に好まれている。また、彼らはとても礼儀正しい。ジャニーズのアイドル達には日本人の良さが全部詰まっているように思える。

2人のインタビューからもわかるように、日本のドラマや歌などに影響されて日本に対するイメージが悪いものから良いものへ変わったり、ある日本人個人やそのグループなどに惹かれてますます日本が好きになる材料へとなったりしていることが分かった。そのようにドラマや歌などにより日本に対するイメージを自分の中に持つ中国人(特に若者だと考えられる)は2人のほかにも他にもたくさんいるだろう。


・北京の田原さん(二十五歳)へのインタビューより
日本は経済的にとても発展しているのに、日本人は自然を尊重し万物に神様が宿っていると感じている。自然と共生する日本人の生き方に気付き、またお祭りなど地方の伝統行事を何十年、何百年もの間ずっと大切にしたり、夏に女の子が浴衣を着て花火大会に行ったりする習慣に気付くことで、「日本はアジアの中で最も東方文化の伝統が残っている国」だと思ったという。確かに中国では日本のように季節ごとに市町村で行われるような。細かい伝統行事はない。日本人的雰囲気やカラー、スタンスを持ち、それを貫きながら世界で活躍している。また、中国人が中国で清潔で安全な日常生活を手に入れるためには、かなりの対価を支払わなければならないが、にほんでは当たり前だったり無料だったりする・日本独自の伝統文化や清潔で安全な社会生活を送れるということを日本人はあまり意識していないが、それ自体が中国人から見ればどんなに尊く得難いものであるか。

・呂俊林(二十三歳)へのインタビューより
中国の歴史の授業は日本と逆で、高校ではどちらかというと世界の近代史に力を入れている。日本の近代史に関しては、どちらかというと日本の強さを紹介する内容の方が印象に残っている。授業の内容では反日の気持ちは芽生えなかった。逆に辛亥革命の時、孫文は日本に留学してたくさんの協力者や多額の資金を得ているし、日本の近代史を勉強して日本はすごい国なんだと思った」と話している。

中国にとって日本は、過去に屈辱の経験をもたらした存在であるのと同時に、経済発展の最も身近なモデルケースでもある。中国政府は日本の発展モデルを参考にしていかに中国を発展させていくかを学生たちに教えようとしたのだ。1998年の長野オリンピックの時、日本のいざという時の粘り強さ、逆境をはねのける強さ、団結力は世界でも卓越したものがあると言える。中国人は一人では粘り強いけど集団で力を発揮する能力は弱い。日本では、中国は愛国教育によって若者に反日意識を植え付けたといわれているが、決してそうであるとは限らない。

<日本はとても居心地がいい国>

・中国からの留学ラッシュが止まらない
日本にやってくる中国人留学生の数は2010年の法務省の統計で約13万4千人と過去最高となった。第二位の韓国人(約2万7千人)を大きく引き離している。中国人が増えた最大の理由は、中国自身の経済発展でありグローバル化であろう。富裕層でなくとも子供を外国を留学させる余裕ができ、中国製雲それを推奨している。
「失われた20年」ともいわれ閉鎖感が漂う日本を、彼らはなぜ留学先に選んだのか。東日本大震災が起きた時一時的に帰国者は増えたものの再び戻ってきている。疑問だ。
・日本人が気付かない安心して暮らせるありがたさ
コンビニやレストランのサービスの充実差を見てもわかる通り、日本の社会基盤はしっかりしている。夜道を一人で歩いていても身の危険を感じることがほとんどない。中国はGDPが日本に続いて第2位であるが、生活の水準は比べ物にならないくらい悪い。中国の汚い空気と安全かどうかわからない食べものは人々の心を不安にさせる。
日本はすべての価値基準がお金や学歴で計られる今の中国とは価値観が全く違う。日本に住んでみると個人側の競争が恥ずかしくてお互いに気を使うゆっくりとした社会だということが感じられる。

・温泉に浸かっているような、癒される社会の雰囲気がある
日本はすべての価値基準がお金や学歴で計られる今の中国余は価値観が全く異なる。日本人は歩くスピードも速いし残業も多くて厳しい社会かと思ったが、住んでみると個人間の競争が少なくてお互いに気を遣う、ゆったりとした社会。猛スピードでジェットコースターに乗っているような、行き馬の目を抜く中国とは違う。日本にいると温泉に浸かっているような癒される気がするという。


<やっぱり不思議な日本人の性格と行動>

・日本人の人間づきあいと気遣い
日本人同士がお互いに気を遣いあい、通り一遍な付き合いを好んでいる(ように見える)ことについて、日本人にして見れば、多少の距離を保つのは相手の立場を尊重している部分もあり「表面的」というのは言いすぎのような気もするが、人間関係がウエットな中国人がみると「日本人は冷たい」と感じるようだ。日本でも地方都市や田舎に行けばこの感覚はかなり薄まるのだが、都会にいると「人情味がない」と感じる。

・マナーが悪くなったら、中国人と変わらなくなってしまう
中国人は日本人を全体的にマナーが良く礼儀正しいと考えているらしい。しかし近年マナーの悪い日本人が目立つ。例えば電車の中で物を食べたり、道端に座り込んで地べたにたむろしている若者などがその例である。中国では有名な観光地に行くと、地方から来た観光客が満ちたに集まって地面に座っている様子を良く見るが、日本は以前よりもマナーが悪い人たちが多くなったと思われているようだ。日本に来た中国人がマナーが悪いと言われていたとしても、日本の生活に慣れてくると自然と周りになじもうとしてマナーもだんだん良くなってくる。周りの環境がそうさせる。日本人のいいところはマナーが良く礼儀正しいところなのだから、それを崩してしまうのは悲しいことである。


この本を通して考えてみると、中国人は日本人のマナーの良さや礼儀正しさに行為を持っており、日本のゆったりとした雰囲気が好きだと感じていることがわかった。日本に旅行することでゆったりとした雰囲気を味わい楽しみ、また日本人の礼儀正しい気持ちの良い対応に触れることで、日本に旅行したいと思う気持ちも増えるのではないだろうか。また、日本のドラマやアニメ、歌などで幼いころから影響を受けている中国人の若者たちは、それにより日本のことが好きになって、日本へ行ってみたいと思う人たちも多いということもわかった。そのようなメディアで中国人にいい影響を及ぼすことができるということは嬉しいことである。もっと多くの中国人に日本に訪れてもらい、日本の良い文化に触れてもらいたい。今回の本は中国人エリートから見た日本人についてだったので、今後は自分の知り合いの中国人にインタビューしてみたり、エリートではない普通の人たちの視点から書かれたものを探してみたり、中国人が日本旅行をする際にどのような意識で行っているのか、またバスツアーなどでよくみられる中国人の行動の様子についてもとりあげて中国と日本、中国人と日本人について旅行という面に触れさせて考えて行きたい。

・中国人エリートは日本人をこう見る
著:中島恵 日本経済新聞出版社 2012年5月8日1刷発行
by m-seminar | 2012-09-24 20:55 | レジュメ(平成24年度入ゼミ生)